トラベルオーバーライドについて
こんにちは!
今回はトラベルオーバーライドについてです。
トラベルオーバーライドとは…
EX-1に装備された新機能です。ステアリングの切れ角を2段階に設定しておくことできる機能で、通常時と緊急時の2種類のコーナーリング半径をボタン操作ひとつで切り替えることが出来ます。
コーナーの大きなサーキットを走行する時には運転しやすいようにハンドルの切れ角を少なめに設定する場合があります。また、グリップが悪くスムーズにコーナーリングできない時にはハンドルの切れ角を減らし気味に設定して急なハーフスピンを抑えることもあります。
このような切れ角の量が少ない設定では、スピンやクラッシュしてしまったようなときにハンドルの切れ角が足りなくて、コースの幅でUターンできない場合がありますね。
そこで、トラベルオーバーライドを設定しておけば、一気に切れ角をアップできます!
また、F-1や1/12といったダイレクトドライブのRCカーでは、フロントタイヤの切れ角がアンダーステアやオーバーステアのステアリング特性に大きく影響します。
例えばレース後半のグリップが減ってきたときの為の設定をトラベルオーバーライドに入れておいて、手元のボタン動作で必要に応じて切り替えるといった使用法も可能です。
では、今回の作例では、㈱タミヤ社の F104 にて走行時にスピンしてしまうときに備えて少ない切れ角のオーバーライドを設定しておく場合を紹介します。
[1]設定メニューの呼び出し
【初期画面】>ENT>【STEERING】>ENT>(JOGを右にぐるぐる廻して2ページ目)
”Travel OR”>ENT>【Travel Override】
[2]切り替えボタンの設定
まずはノーマル時⇔オーバーライド時を切り替えるボタン(またはET)を設定します。
この例では、BT1ボタンに設定しています。
【Travel Override】>”KEY”>ENT>”BT1”>ENT
[3]オーバーライド量の設定
この作例では、ノーマル時のステアリング設定は、最大切れ角で以下のようでした。
ST-TRAVEL;90
ST-Balance(L);70
ST-Balance(R);75
設定量は一例です。サーボの種類やリンケージによって調整します。
※最大切れ角の設定は、ハンドルを一杯まできったときに、サーボのウィーンと唸る音が出ない範囲で最大量を設定してくださいね。
この3つの設定を、トラベルオーバーライド機能でボタン操作で一気に切り替えできます。
ここでは、全体の切れ角を30%減らして、オーバーライド時のTRAVELを60にしてみます。
左右の切れ角を個別設定するBALANCEは、ノーマル時をそのままコピーしておきましょう。
【Travel Override】>”TRAVEL”>ENT>(JOGで数値を60へ)>ENT
【Travel Override】>”BALANCE:R”>ENT>(JOGで数値を75へ)>ENT
ここで設定する数値は上写真のノーマル時の設定値と別の切れ角の量を設定すると考えます。
ノーマル時より増やしたい場合は、 オーバーライド時のTRAVELを90、100~150にします。
※次からの動作確認でサーボの唸り音が出ない範囲の最大量を設定してくださいね。
[4]動作を確認します。
BT1を押すと、ピピッとブザーが鳴り、初期画面に[SOR]の表示がでます。このとき、ハンドルの切れ角はステアリングオーバーライドで設定した30%少ない切れ角になります。
もう一度BT1をおすと、ピッと鳴って ノーマル時の最大切れ角に戻ります。
初期画面の[SOR]の表示も消えます。
上の写真の動画はこちらからご覧いただけます。
(↑上手く表示されない場合はF5をおして再表示してみてください)
小技紹介!
今回は全体の切れ角を30%減らしての設定方法を紹介しましたが、実際走行した際には「オーバーライド時に左コーナーはちょうど良いけどまだ右コーナーでスピンする!」ような場合もありますね。
バランスのダイレクトセット機能はオーバーライド時にも有効です。
初期画面に[SOR]が出ているときにステアリングハンドルを 右に切りながらステアリングトリムを操作することで、【Travel Override】メニューの”BALANCE:R”数値が変更できます!
もちろん、ハンドルを左に切ると”BALANCE;L"も変更できます。
今回もお読みいただいて有難うございました。
次回はクイックセットアップの使い方です!