ICSサーボセッティング(2)サーボのモデルメモリー
2016年9月30日 選び方とセッティング < ICS > ICS機器 ICS USB アダプターHS PCの設定・インストール
こんにちは!
今回は、前回のICSサーボセッティング(1)ソフトウエアインストールの続きです。
今記事ではサーボのモデルメモリーについてご説明します。
前回の記事ではKO Driver 2015とICS Servo ManagerV2.1.0.1アプリケーションのダウンロードを行いました。これら2つのソフトウエアは、先日のTOKYOホビーショー2016で発表になったRSx3one10GrasperやRSx3-12のHCS対応サーボでも、そのままご使用いただけます。
HCSはもちろん、箱だしの状態でもよりリニアでスムーズな特性を体感できます。
さらに、サーボのセッティングをお好みに合わせるとライバルに差がつけられること間違えなしです!
(1)サーボのモデルメモリーとは?
RSx、BSxシリーズサーボには、5つのモデルメモリーの機能があります。
これは、サーボのパラメーターを記憶するための機能です。少し難しそうなイメージですが、わかりやすく解説しますね。
※すでに製造中止のBSxは、ICSセッティング不能ですのでご注意ください。
※PDSシリーズサーボ(PDS-2501やPDS-2531等)は別のアプリでセッティング変更可能ですが、下記事の内容とは異なります。
サーボセッティングを変更するには、ICS Servo Managerアプリを使用します。
このソフトウエアでサーボのセッティングをフルコントロール可能です。
前回ダウンロードした左画像アイコンの「ICS Servo Manager.exe」アプリを開くと、以下のような画面が開きます。
サーボのセッティング可能な項目は、①ストレッチ1(Stretch1)②ストレッチ2(Stretch2)③スピード(Speed)④パンチ(Punch)⑤デッドバンド(Dead Band)⑥ダンピング(Damping)⑦リバース(Reverse)の7項目です。
RSx、BSxシリーズサーボには、上記①~⑦のセッティングを調整したデータを5通り、記憶(メモリー)させることができます。
上画像の英小文字(a,b,c,など)はICSサーボマネージャーで調整するデータを示します。ストレッチ1が20や21などです。もちろん、MODEL1のストレッチ1データとMODEL2のストレッチ2データは同じデータでも、異なるデータでもよいです。
このように、5台分のメモリーをセッティング違いで事前に登録しておくと、サーボモデルセレクターで簡単にモデルメモリーが切り替えできますので、テストが捗りますね!
(2)セッティングできる項目の内容は?
①ストレッチ1(Stretch1)
ストレッチ1はニュートラルから動き出しのごく微小な領域区間の力の出し方のセッティングです。
サーボが動作開始するときの力の出し方を変更して、ステアリング操作時の路面とタイヤのスリップを最低限に抑えることができます。数値を小さくするとジワッと切りはじめるイメージです。調整次第では、ユーズドタイヤでフレッシュタイヤに勝負することが可能になります。
理系の方向けに概略を説明すると、F(パワー)=k・X の K を設定する機能です。
②ストレッチ2(Stretch2)
ストレッチ2はサーボ操作時のストレッチ1を超えた範囲での力の出し方を変更します。
サーボが動作を開始して、フル舵角に至るまでの最大パワーを調整することで、サーボを切っていって切り足したり、切り戻ししたりするときの感触を変更することができます。いわゆる「後半のハンドルの効き」ですが、これもストレッチ2の調整次第で、タイヤグリップを最大限に発揮することが可能です。エンジンカーのブレーキフィーリングの調整にも有効です。また、最近流行の2駆ドリ(RWDドリフトカー)では、ジャイロのゲイン(効力)を効かせるほどオートマチックにカウンターが当たるのですが、ジャイロがブルブルしてもストレッチ2を少なくすることでサーボのブルブルが多少カバーされるとのテスト報告があります。
③スピード(Speed)
スピードはサーボの動作スピードを調整します。
操縦に不慣れな場合などや、走行時のステアリング反応がありすぎるときに数値を減らしていくと、マイルドになって楽に運転することができるようになります。グリップを最大限ほしい上級ドライバーの方は最大値127でほぼ固定ですが、路面グリップが極端に低い場合などにも有効です。
④パンチ(Punch)
パンチはストレッチ1の範囲での最小パワーの設定です。
ストレッチ1の設定が小さいと路面のキックバックなどで容易にサーボが動いてしまい、まっずぐ走りずらくなってます。このとき、パンチの設定を上げて最小パワーを底上げしておくと、弱いストレッチ1の設定のままでも安定性を確保することができます。
理系の方向けに概略を説明すると、F(パワー)=k・X +a の a を設定する機能です。
⑤デッドバンド(Dead Band)
デッドバンドはサーボの遊び幅の調整です。
RCカーが直進している場合、ステアリングサーボが停止していても、右にハンドルを切るキックバックがあったときにはサーボは左に力を出して直進を維持しています。デッドバンドが大きい時には、サーボが力を出すタイミングが遅くなります。逆にデッドバンドが小さい時にはサーボが力を出すタイミングが早くなり、状況にとってはサーボからチリチリとモーターが常に回っている音が出たりします。
デッドバンドを狭めるとよりクイックなレスポンスが得られます。
⑥ダンピング(Damping)
ダンピングはサーボが動作を停止するときのブレーキ特性を調整します。
サーボはプロポの操作で左右に動作します。ハンドルを右一杯に切ったときにはステアリングサーボを右一杯に動かして、最大舵角でブレーキをかけて停止しています。ダンピングの数値が小さいとブレーキを弱くかける設定になり、サーボのマイコンが指令位置(最大舵角)で停止するために指令位置よりもだいぶ手前からブレーキをかけ始めるようになります。結果、ステアリング操作後半でのフィーリングがマイルドになります。
⑦リバース(Reverse)
リバースを変更すると、サーボの回転方向が逆になります。
最近のKO PROPOのプロポには全てリバース機能があります。こちらはリバースが使えない状況(ステアリングの信号で2つのサーボを動作させて、片方だけ逆転したい場合など)に備えての予備機能になります。
通常のRCカーキットで使用する場合には、工場出荷時の設定のまま固定で使用します。
次回は、具体的にパソコンでセッティング変更を進める手順をお送りする予定です!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。