スピードが出る?キャパシタのお話し
こんにちは!
前回公開したKOサポートブログ「ESC 電装パーツのお話し」は3000人以上の方に閲覧いただいたようです。みなさん、電動R/Cカーでパワーアップする方法にはとても興味があるようです。今週は先週のブログ記事をさらに詳しくご紹介します!
キャパシタやコンデンサで最高速が変わるの?
「キャパシターの耐圧や容量によってトルク特性と高回転域特性が変わるんですか」と、ご質問をFacebookのコメント欄に頂きました。ESCに取り付けるキャパシタの種類で、モーターのパワー感じやトップスピードが変わるのはどうしてですか?というご質問ですね。
なるべく簡潔に、キャパシタの効果でなぜ最高速が上がるか?を説明しますね。
[1]電流が少ないモーターを軽い負荷で使用した場合
ノーマルモーター等の消費電流の小さいモーターを適正ギヤ比で使用するなど、モーターの負荷が軽い場合はESCはバッテリーパワーの範囲内で余裕をもってモーターに電流を供給することができるので、モーターは最高速まできれいに回転を上げていくことができます。
[2]負荷を大きくした場合
消費電流の大きいモーターに交換したり、ピニオンギヤを大きくしたりブースト/ターボなどの進角をがっつり付けた場合など、モーターの負荷が大きくなるとモーター要求電流が大きくなります。
もし、モーター要求電流がバッテリーの供給可能電流を超えた場合、バッテリーは電圧降下を起こしてパワーダウンします(上図1)。パワーダウンしている間は、モーター要求電流が減るかバッテリーが回復するまでの間、モーターには電気がいかないので回転を上げることができません(上図2)。結果、加速時に「もたつく」「息継ぎする」症状を発生して、「パワーが出ない」「トップスピードが遅い」などの現象につながります。(上図3)。
ここで、モーター負荷を一段階下げるのもひとつの手なのですが、ピニオンや進角でパワーを抑えた場合、ライバルに一歩劣るパワーで我慢しなくてはいけないことになるので、できれば避けたいところです。そこで、キャパシタやパワーアップコンデンサを使用することで、下図のようなソリューションを得るわけです。
[3]キャパシタ(パワーアップコンデンサ)を使用する場合
モーターの負荷が大きいセッティングのままでも、適切なキャパシタ(コンデンサ)を使用すると上図のように瞬間的なパワーダウンを軽減することができます。バッテリーパワーがモーターの要求電流をカバーできるため、モーター回転がスムーズに吹けあがるようになり、結果として最高速が速くなります。
ただし、キャパシタが適切でない場合は、上図の電圧降下を防ぐタイミングがズレてしまったり供給容量不足により、パワーダウンを起こしてしまう場合があり、キャパシタが「付いていても無くても変わらない」現象を起こします。また、長年使用して容量抜けを起こしたキャパシタも同様に「付いていても無くても変わらない」現象になります。もし、心当たりある方は、新しいキャパシタをお試しくださいね!
モーターの種類(ブラシレスモーター/ブラシモーター)やモーターの使用方法(ブースト/ノンブースト)によって、モーターの要求電流が変化します。ですので、使用目的に合った適切なキャパシタを選択することは重要です。キャパシタを製造するメーカーからはたくさんの耐電圧、容量のキャパシタがラインナップされていますが、KO PROPOでは度重なるテストの結果、ベストな素材をチョイスして、先週の記事の商品をラインナップしているのです。是非、ご使用目的に合ったセッティングパーツとしてお試しくださいね!
今回の記事では、「モーター要求電流」「バッテリーパワー」「適切なキャパシタ(コンデンサ」のバランスによって、トップスピードに差が出るプロセスを説明させていただきました。次回は、キャパシタの取り付け方でパワーが変わるお話しを予定していますので、ご期待ください!
さて、話は変わりますが、イタリアのグッビオでは、IFMAR1/10GPツーリングカー世界選手権が8/4~14の期間で開催されています!
この大会にも、KOスタッフが出張サービスに現地入りしています。
このブログにもたびたび登場しているJJ Wang選手(アメリカ)や嶋崎 真弥選手、また、すべての日本人選手の活躍を応援しましょう!
今回もお読みいただき、ありがとうございました!